2011年8月10日水曜日

注目作「TERA」のCBTを振り返り,来るべきOBTに向けての意気込みなどを,日本総合プロデューサーに聞いてみた(1)

今年の夏にハンゲームで正式サービス開始が予定されているMMORPG「TERA The Exiled Realm of Arborea」(以 下,TERA)で,7月1日から4日にかけてクローズドβテストが行われた。参加人数が制限されたCBTでありながら,すべての日程において同時接続者数 が1万人を超えるという盛況ぶりだった。クオリティに関しての評価も総じて高く,今は実際にCBTに触れた人はもちろんのこと,反響を伝え聞いたさらに大 勢の人達が,TERAの“次の展開”を一日千秋の思いで待ちわびているはずだ。

今回は,日本におけるTERAのキーマンである,日本総合プロデューサーの潮田太一氏にインタビューを敢行。CBTを終えてみての手ごたえや,すでに導入されている韓国最新版アップデートなど,いくつかの質問をぶつけてみた。


「TERA The Exiled Realm of Arborea」公式サイト



まさに大盛況だった4日間のクローズドβテスト


4Gamer:
本日はお忙しい中,ありがとうございます。
こうやって真面目にインタビューするのは久しぶりですが,最近の潮田さんは主にどういった作業を行っているんでしょうか。

TERA日本総合プロデューサー 潮田太一氏
TERA日本総合プロデューサー 潮田太一氏:
こちらこそ,よろしくお願いします。
大きく三つの作業に分けられます。まずは,開発会社と弊社QA(品質管理)チームのやりとりを総括し,TERAのプログラムやローカライズを改善するこ と。次に運営体制で,プログラムが安定し,お客様が安心して楽しめる環境を作り上げること。最後はプロモーションで,一人でも多くのお客様をTERAに集 めるために,何をするべきかを考えています。

4Gamer:
7月1日から4日にかけてのTERAのクローズドβテストを振り返ってみて,率直な感想はいかがですか?

潮田氏:
一言でいうと,“自信”がつきましたね。
これまでプロデューサーとしてTERAに携わってきて,きっと大勢のお客様に楽しんでもらえるタイトルだろうな,ということは予感していました。しかし,どんなに強くそう思っていても,自分一人の都合のいい解釈でしたから。
しかしCBTの反響を実際に見て,これまで予感にすぎなかったことが確信へと変わり,そしてそれが大きな自信へと結びつきました。

4Gamer:
潮田さんにはCBTの初日に軽く話を伺いましたが,そのときは同時接続者数が“1万をはるかに上回る”とのことでした。CBTの4日間を通じて,そのあたりはいかがでしたか。

潮田氏:
最も盛り上がったのはむろん初日ですが,4日間ともに同時接続者数がそれぞれ1万を超えていました。オンラインゲームのCBTだと,最初に触れてみてパッと離れてしまう人も多いのですが,TERAの場合はそれが非常に少なかったのが印象的です。

4Gamer:
CBTの最終日が平日(月曜日)だったのを踏まえると,離脱者が少なかったのはすごいですよね。具体的に,どのあたりが参加者にとって魅力的だったと認識していますか?

潮田氏:
何度も繰り返していますが,グラフィックスをはじめとした世界観と,フリーターゲティングによるバトルの新鮮さ。この二つですね。

4Gamer:
グラフィックスに関しては一目瞭然だとは思います。もう一つのフリーターゲティングの手ごたえ――具体的に言うと,プレイヤーにとって抵抗感が本当になかったのかどうか,という部分が,個人的に気になっています。

潮田氏:
そこに関しては,ソロプレイとパーティプレイのバランスに細心の注意を払っていたので,多くの人にすんなりと理解していただけたと思っています。CBT終了後に行った,お客様からのアンケート結果でも,非常に高い満足度が出ていました。

4Gamer:
それでは,CBTにおけるソロプレイとパーティプレイの比率について,あらためて確認させてください。

潮田氏:
マイキャラを作成して最初に降り立つ“黎明の島”では,ソロプレイのみでも十分にプレイ可能です。島のラスボス敵な位置付けの“カラスチャ”とのバトルも,NPCがバックアップしてくれるので,頑張ればソロプレイでも倒せたりします。
その後は首都“ヴェリカ”の近郊エリアで冒険を行いますが,この段階でもまだソロプレイで大丈夫です。そしてレベル10代の中盤から,パーティプレイの 選択肢が少しずつ加わる形になります。そしてレベル20あたりで,パーティプレイを重視したゲームバランスに移行します。


4Gamer:
パーティ募集に関するチャットを眺めていましたが,中型モンスター“バシリスク”の討伐(レベル18前後)と,インスタンスダンジョンの“秘密基地”(レベル22)の募集がとくに多かったですね。

潮田氏:
バシリスクの討伐パーティに参加したときに,TERAのゲームプレイが良い意味で大きく変わった,という感想を多く目にしました。フリーターゲティング でのパーティプレイって,今までのソロプレイとはまったく違った遊び方ですからね。このあたりの反響には満足しています。
秘密基地に関しては,この段階で本格的なパーティプレイが開花するので,繰り返し挑戦される方が大勢いました。CBTではレベルキャップを“22”に設定していましたが,その理由の一つは,このインスタンスをプレイしてほしかったからなんですよ。

4Gamer:
思惑どおり,といったところですか。
今後パーティプレイが必須に近くなってなると,プレイヤーの中には難しいと感じる人も出てくると思いますが,その点についてはどのように考えてますか?

潮田氏:
ここは誤解しないでほしいのですが,TERAはレベルが20以降になっても,ソロプレイでもキャラ育成が行えます。効率は次第に落ちていきますけどね。 パーティを組まないと絶対に先に進まないゲームではありませんが,我々としてはパーティプレイの面白さを積極的に伝えていきたいと考えています。
なにしろ,フリーターゲティングでのパーティプレイは,従来のMMORPGとは大きく違います。MMORPGの歴史にはない,戦略性や楽しみがあるんで す。先ほど話題に出たように,CBTにおいてバシリスクや秘密基地でのパーティプレイが盛り上がっていたのも,それを証明しているといえるでしょう。

4Gamer:
近年のMMORPGは,どちらかというとソロプレイ中心で遊べるようになっており,TERAは時代に逆行とまではいかなくても,向いている方向が少し違うようにも感じるのですが。

潮田氏:
確かに業界の流れとしてはそうですが,TERAのゲーム内容なら,パーティプレイが広く浸透すると信じています。大切なのは,ライトな人やパーティプレ イを敬遠している人に向けて,どうすれば参加してもらえるのか。そのための適切なアプローチを提示していくこと,楽しさを伝えてあげることだと思っていま す。

4Gamer:
例えば,MMOのパーティプレイで,頑なにリーダーをしたがらない人って割と珍しくないのですが,それは最初の一歩を踏み出すための知識がないからなのかな,と感じることがあります。

潮田氏:
CBTでは,序盤で行う「ベカス」の討伐クエストがそうでしたが,パーティ募集の告知を出すと,わっと人が集まります。集めたあとで「あまりよく分から ないんだけど」と言えば,じゃあ皆で考えようかって流れにもなるんです。日本人ってシャイな方が多いのかもしれませんけど,最初はみんな知らなくて当たり 前なんですよね。
他国のプレイヤーの動向と見比べてみても,日本人は他人のサポートを積極的にしてくれる人が多いのです。ですので,ほかのプレイヤーと接するのが嫌いというわけじゃないですし,我々としてはどういった手ほどきをしてあげるといいのかな,ということを考えています。

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